実務基礎を優先順位の一番に置いた理由 ― F・A・Aの3年でやったこと
実務基礎は、手薄なまま本番を迎える人が多い一方で、やるべきことが比較的はっきりしている科目だと考えています。予備試験を3回受けて実務基礎がF・A・Aだった筆者が、民事の要件事実をどう回したか、なぜ保全・執行の優先順位を下げたか、刑事の手続をどう掴んだかを書きました。
ギリギリ合格研究所
研究員
まずはじめに
前回は、優先順位の一番上に置いた刑法について書きました。上に置いた理由は、やれば伸びるからではなく、外すと沈むからでした。
刑法 = 民訴 = 刑訴 = 実務基礎 > 商法 = 選択科目 > 民法 > 行政法 > 憲法
今回は、同じ一番上に置いた実務基礎です。刑法とは逆で、やった分だけ返ってくるから上に置いています。
しかも、配分が全体の20%なんです。司法試験にない科目なので、司法試験までを見据えるとダイレクトに効果はないかもしれませんが、民法、民訴、刑法、刑訴の基礎の力も必要なので、やって損はないと思います。
なぜ一番上に置いたのか
理由は2つです。
- 手薄な人が多い:基本7科目に追われて、実務基礎まで手が回らないまま本番を迎える受験生が一定数いると感じています。
- やるべきことが比較的はっきりしている:やった分だけ点が伸びる感触があります。
刑法が落ちないために時間を使う科目だとすれば、実務基礎は差をつけるために時間を使う科目です。
3年分の評価 ― F・A・A
筆者は予備試験を3回受けています。実務基礎の評価は次のとおりでした。
| 年 | 実務基礎の評価 |
|---|---|
| 令和5年 | F |
| 令和6年 | A |
| 令和7年 | A |
FからAに変わった理由を断定することはできませんが、特に令和6年の試験に挑む際に実際にやっていたことです。
民事実務基礎 ― 要件事実と事実認定
民事実務基礎で重要になるのは、大きく要件事実と事実認定だと考えています。
要件事実は、瞬時に出てくるまで回す
要件事実については、大島本をひたすら周回しました。おそらく10回以上は読んでいます。それぞれの要件が瞬時に出てくるまで暗記するつもりで回しました。
読むときに意識していたのは、小問になっている部分を、答えを見る前に自分で解けるか確かめることです。答えを見ながら読み進めると、分かった気になったまま次に進んでしまいます。自分で言えるかどうかを毎回試すほうが、周回の密度は上がります。
ここは口述試験でも重要になるところなので、やって損はないと思います。司法試験でも、民法や民訴で効いてくるところがあると思います。
保全・執行は、実務基礎の中で優先順位を下げた
民事保全や民事執行についても実務基礎で問われることがあると思いますが、ここはあまり対策しませんでした。専業の受験生は取ってくるところだと思います。
やったことは、大島本に載っていることと、過去問で出てきたことを覚えていた程度です。あとは直前期に、どういう執行、保全があるのかをおさえていただけです。それほど種類が多くないので、何をする手続なのか、どういう処分をするのか、どういう保全を行うのか。そこだけ外さないようにする、という割り切りです。最悪外しても、他でカバーできると考えていました。
刑事実務基礎 ― 手続の流れをイメージで掴む
刑事実務基礎は、令和5年の段階では、これといった教材を見つけられませんでした。
令和6年に向けて勉強する際、辰已法律研究所から出ている刑事実務基礎の書籍を読み、理解が進みました。特に、何かの特典で付いていた新庄健二先生の講義が特に良かったです。これを聞いたことで、逮捕・勾留・起訴までの流れと、その後の流れのイメージが、かなりクリアになりました。
手続系は、イメージが湧かないまま覚えると、理解が表面的なところで止まります。 なるべくイメージが湧く教材を使うのが良いです。
口述試験のために『基本刑事訴訟法』の1と2も購入しました。さっと流して読んだだけですが、もしかすると、こちらでも理解が深まったのかもしれません。
伝聞法則は、基礎部分だけでも押さえておく
伝聞の知識が問われることもあります。伝聞法則をきちんと解けるようにしておくと、意外と差がつくのではないかと思います。 刑事訴訟法で出てくる可能性もあるので、基礎部分を押さえておけば、少なくとも無駄にはなりません。
証拠と供述の意味づけを、自分の言葉で表現できるか
他に重要な点として、文章力だと思っています。文章力というと、アバウトな能力の話に聞こえますが、そうではありません。問題文に提示されている証拠や供述が何を意味するのかを、自分なりの言葉で論理的に書けるかどうかです。判断としては、書いた後に、再度自分で読んでみて意味が伝わるかを確認してください。そこができていれば、ひとまずOKなのではないかと考えています。
参考
以下は筆者が使った教材です。
筆者が使った当時から版が変わっているものがあります。リンク先は各出版社のページです。
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